引きこもりとして咲く
引きこもりとしての才能
流石に10年引きこもると、自分には才能があるんだなと思わざるを得ない。
嬉しくはなかったが、しかしあるものはある。引きこもりを極めよう、そう思った。
今思えば、それが僕の第二の人生の幕開けだった。
最強の部屋
何が必要か。それは簡単に見つかった。そう生息範囲である部屋をとんでもなく完璧にするんだ…!
こうしてゴミが大量にあった部屋を片付けることにした。
部屋と心は綺麗にリンクしている。部屋を綺麗にしていくと、心も風通しが良くなってくる。さあ、無駄な物をドンドン無くしていくぜ…!
そっから、断捨離とかミニマリストとかに興味を持つ。
僕は過去には縛られない
捨てることは、気持ちよくてしょうがない。
荷物が減れば減るほど、自分の体まで軽くなっていくんだ。そして辿り着く。
中学校時代の思い出の品。
僕は中二の時学校に行かなくなった。
当然、中学時代にはいいこともあったにも関わらず、悪い思い出ばかりが僕を襲う。
卒業証書、何か卒業の時に作るアレ、なんて言うんだ、あのランキングとか載せるやつ。そういうのをドンドン捨てる。
これが、とんでもなく良かった。
今まで僕を縛っていた何かが、消えて無くなったんだ。
もう、ない
思えばずっーと心は中学時代に縛り付けられていた。その時は心の何処かで中学時代のアイツらを見返したいなんて思っていた。20歳越えようが、そんなただの幻に縛られていた。それが物理的に捨てることによって、ほぼほぼなくなっていったんだ。
そうしたら、次々と行動できた。粗大ゴミを出すなんて壮大なことだって出来た。本の類を縛って、指定の場所に持ってくことだって出来た。電気屋に行って、電球を買って、変えるなんてことも、カビだらけの風呂場を掃除することだって出来た。
そして対、人へ
その時は図書館に行ったりしてたっけ。
僕は将来のことについて一人、悶々と悩んでた。僕は当時、人前で笑うことが出来なかった。歯が無かったからだ。にこ〜っと笑えば一部歯がない、なんてことになっていたわけだ。
僕の目標が定まった。
僕は笑顔を取り戻す。
でも歯医者なんて行けるはずない。これを見せるなんてのはハードルが高い。
どうすれば。
そうだ、一度引きこもりサポート的なものを経由しよう。
偶々親に紹介された、サポステという場所へ。
引きこもり範囲を増やす
結果としては不安定過ぎはするものの、今のところ自分のしたい生き方に近づいている。
友達らしい友達はいないが、いいな、カッコいいなと思える人達が周りに多くいる。
サポステでは自分の力をつけるという意味では上手くいった。サポステは一応就職支援のアレなので、就職的な意味合いではうまく行かなかったし、担当のカウンセラーの人とも決別した感じだが。
そして生息範囲は広まったし、これからも増やす予定だ。もはや引きこもりとは全く言えないんだけど、でも部屋から家、近所、県内、日本、地球、とこもる場所が増えてるだけだ。そして、少しずつこもる範囲を広める。それでいいんだ。